2階建て以上の住宅で、水回りってだいたい1階にあるけど、何か理由があるのかな?
注文住宅だから2階とかにもできるけど、どこに置くのがいいんだろう?
注文住宅を建てようとしている皆様こんにちは。東京で3階建て狭小住宅を建てたemmaです。
今回は水回りのお話。確かに水回りは1階に配置されることが多いですよね。それも理由があってのことです。
ですが、狭小地など条件の悪い土地に家を建てる場合は、1階に水回りを置くと使い勝手や居心地が悪くなってしまうデメリットも考えられます。
我が家の場合は快適なお風呂空間を目指すためにあえて水回りを最上階の3階に持っていきました。
ここでは、我が家の経験も踏まえて
- 1階水回りが基本な理由
- 上階に水回りを持っていくことのリスク
- 上階水回りのメリット
- 水回りをどこに置くかについての考え方
についてお話していきたいと思います。
通常水回りが1階に配置される理由
一般的な住宅設計で水回りが1階に置かれている理由は
一番安く済み、リスクが少ないから
です。
具体的には、
- 水道の引き込み、排水のルートが短い
- 重いものを支えるために構造強化をしなくて済む
- 重く大きな部材を上階に上げる手間がかからない
- 水圧不足の心配がない
- 水漏れした場合、階下への影響がない
といったようなことですね。
ですので、
ローコスト住宅を目指す方やリスクは絶対負いたくないという方には1階水回りがおすすめです。
狭小住宅のデメリット回避に上層水回りはおすすめ
といったわけで、普通に条件の良い土地に建てるのであれば、1階水回りは安いですしリスクもありません。
ただ、狭小住宅となると話は別。
敷地の南側を開口とすると、お風呂や水回りはプライバシーや取り回しの観点から、逆側、北側奥に配置されがち。
隣家との距離が狭かったり、うなぎの寝床で北側に陽が当たりづらいなどの場合、1階に水回りを持ってくると、洗面所が暗い、お風呂が寒くてつらいなどのデメリットが出てしまいます。
暖かい部屋から寒い脱衣場に行くのは嫌だし、朝なのに一日の身支度を電気をつけなければ暗い場所でするのも憂鬱ではないですか?せっかく一戸建てなのに。
これを克服できるのが上階水回りです。
上階であれば外からの視線を避け、窓を設けて明るい光を取り入れることができますよね。インナーテラスに繋げれば完全にプライベート空間で露天風呂風にもできます。
2階・3階水回りで想定される心配ごとと対応方法
上階に水回りを持ってくることでのリスクやデメリット、不安を解消するために必要なことを見ていきましょう。
耐震面に不安がある
ユニットバスの重量、浴槽にお湯を張ると1トン程度にもなるとも聞きます。重心が上に来ると揺れやすいので、耐震面で問題があるんじゃないか、ということですね。
木造アパートとかもありますから木造だからといって2階にお風呂を持ってこられないということはないはずですが、心配であれば設計士さんやハウスメーカーに確認しましょう。きちんとした説明が受けられなかったり、納得がいかないまま不安を抱えて進んでしまうことだけは避けるべきです。
木造住宅で上階に水回りを持っていきたい場合、構造的な問題がないかは念のためしっかり確認しましょう。不安であれば追加費用を出して正式な構造計算をしてもらうこともできます。
水圧不足が心配
我が家のように3階水回りにしたい、という場合、シャワーとかきちんと出るの?って気になる方もいらっしゃるでしょう。
これはもともとの環境によるものが大きい(水道本管の水圧)ようですので、設計士、水道業者、水道局に確認するほうが良いでしょう。場合によっては増圧ポンプが必要になることもありそうです。
あとはオール電化などで貯湯型の給湯方式の場合も水圧は弱めになるようです。
我が家の場合は3階風呂・タンクレストイレですが増圧ポンプなしで問題なく使用できています。シャワーも気になるようなことはないですしお湯の溜まりも遅いとは感じません。
水圧の不安や増圧ポンプの必要性などは状況次第。プロに確認しましょう。
配管の損傷リスクが高い、水漏れしたときが大変
1階に水回りを置く場合に比べ、給水、排水の管が物理的に長くなるので、どうしてもリスクは高くなります。地震などでの損傷、排水の詰まりなどは確率的に起きやすくなると言えるでしょう。
また、上層階で水漏れした場合は下層階の天井などに影響が出てくるので、確かに1階で起きる場合より被害は大きくなりますね。
実際に我が家では竣工後、風呂からの水漏れがあり階下の天井、壁、床に影響が出ました。(ちなみにユニットバスではなく造作風呂での施工不良です)
リスクはどうしてもあることは心得ておくこと。問題が発生するかどうかより、発生した際にきちんと対応してもらえるかのほうが重要でしょう。生活の上では排水の詰まりが起きないような使い方・こまめなメンテナンスを心がけたいですね。
老後が大変
また老後!
住宅において階段と老後の話は尽きないわけですが…。確かに足腰が弱くなった老後や怪我をしたり病気の際は不自由があると思います。私の親戚でも確かにそういう話は聞きます。
ただ、何十年も先のことに今から対応するのか、いつを起点にして家づくりをするのか、それは個人の考え次第だと思いますね。
私自身は3階建て、3階水回りで現在のところ階段面での不満はありません。慣れます。不便なことが出てきたら何かしら対応できるよう考えると思います。
老後にもそのまま住み続けられる家が希望なら1階水回りにしておく。住みながら変えていく暮らし方が許容できるようであれば上階水回りを考えてもいいでしょう。
住んでみて感じた!2階・3階水回りのいいところ
我が家は狭小住宅で水回りもばらけず最小スペースに収めなければいけないこともあり、洗濯・洗面・トイレ・浴室をすべてまとめて3階に入れました。
絶対にこうする!と思っていた間取りではなかったですが、結果として使い勝手がよく、快適でとても気に入っています。
水漏れなどトラブルも発生していて(まだ解決してませんが)面倒なこともあるのですが、今のところは生活の快適度が上回っていて、次に家を建てるとしてもこの間取りにしたいなぁと思っているくらいです。
洗濯~物干しの動線が圧倒的に楽
我が家は二人暮らしで毎日洗濯するとかではないので、洗濯機から物干し場への動線は多少不便でもいいかなと思っていたのですが、結果的に同一階で物干しができるようになり、とても楽になりました。
重い洗濯物を持って階段を上って、というのはもう無理かも。これはぜひ改善すべき動線だと思います。
お風呂・脱衣所・トイレが寒くない
寒いだけでトイレに行くのもお風呂に入るのも歯を磨くのも億劫になっていたずぼらな私にはありがたい!です。
まぁ、夏は暖かいというより暑いんですけど、寒いことに比べれば我慢できるレベルです。
夏は洗面所に置いている化粧品が劣化したりするのが玉にきず…。
お風呂、洗面所が明るい
我が家はお風呂の一面をインナーテラスに繋げてガラス窓にしているので、お風呂に自然光がたっぷり入ります。昼風呂が楽しいですよ!この間取りは上階に水回りを設ける方にはぜひおすすめしたい!
また、洗面所が明るいので、自然光のもとメイクができるのもいいところかも。
当て方や光源によっては照明のほうがきれいに見えたりもするんですけどね…。
お風呂がカビにくい
1階に比べて室温が高いし、大きな窓を開けておくことができるので、いつまでも浴室が湿っていることはないですね。使って干したタオルも比較的乾きやすいと思います。
逆にうちの場合は日当たりがよくてプラの風呂蓋が劣化して割れてしまいました…。いい風呂蓋ないかなぁ。
上階水回りはいいこともたくさん!リスクも踏まえて選択しよう
上階水回りは言われているようなリスクが確かにあり、費用も高くなる傾向があるので、安易におすすめできるものではありません。
ただし、QOLは爆上がりすると私は思っています。
一日をスタートしたり、疲れを癒す場所を居心地のいい場所にするのって思いのほか重要だったなと感じています。
デメリットがあることを踏まえたうえで、狭小住宅×注文住宅の方はぜひ一度上階水回りの可能性も検討してみてはいかがでしょうか。
水漏れ経験者からはあまり大きな声では言えないけど、おすすめしたい間取りだよ!