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細長い土地はお買い得?家を建てて住んでみた感想【うなぎの寝床】

家を建てたいこけし

検討している土地が細長い形状なんだけど、買っても大丈夫でしょうか。家を建てる時に気を付けたほうがいいことはあるのかな?

間口が狭くて奥に長い土地はうなぎの寝床なんて呼ばれますね。土地の間口の広さで課税額が変わった江戸時代の名残などとも言われ、今でも都市部や商店街などでよく見られる土地の形状です。

このような土地の特徴や家を建てるときの注意点について、実際に幅2.5m、奥行き10mの土地を購入して家を建てた私が経験をもとにお話しします。

目次

細長い土地は家づくりにはやや不利、費用の増加は覚悟が必要

長方形の土地は正方形に近い土地と同様、整形された比較的条件が良い土地と考えられています。

ですが、極端に幅が狭い、細長い土地となってくると家を建てる際にデメリットが出てきます。そのため価格もやや安く流通していますが、家づくりの際には費用が余計にかかることは認識しておいたほうが良いでしょう。

とはいえ、三角形や傾斜地などの変形地と比較すると、家づくりの際の難易度はそこまで高くはないので、価格面でのメリットや周辺環境などを総合的に判断して、積極的に検討しても良いと思います。

土地の幅が5m以下ぐらいになってくると間取りその他家づくりに制限が出てくるでしょう。可能であれば土地を検討している段階で建築士などの専門家に相談して、どんな家を建てることができそうか判断してからの購入をおすすめしますよ。

細長い土地で家づくりすると起こりうるデメリット

光が土地の奥まで届きづらい

両サイドが建物に囲まれた細長い家の場合、光は前面開口部から採るものとして、天井がスケスケでもない限り、なかなか後方部分の部屋の中まで光を取り入れることができません

明るさを感じられる家にするためには設計時の工夫が通常以上に重要です。

emma

私は土地を購入する前、古家をリフォームして住む可能性があるか考えるため、売り主の方に古家の中を見せていただきました。一般的な二階建てでしたが家の奥のほうはだいぶ暗いなとかんじましたよ。

壁間が狭く圧迫感がある

幅が狭いゆえ、家を建てた際に壁と壁の距離が近く、「壁に囲まれている…」といった印象になることもあるかもしれません。

寝室や作業部屋など、籠り感が心地よさや安心感につながる空間もありますが、リビングなど解放感が欲しい空間では、幅の狭さはネックになってきます。

家の形状、間取りが制限される

広さの余裕がない場合は、細長い土地にはその形に沿った細長い家を建てることになります。

長方形を積み重ねる感じの家なので、部屋の配置や動線も制限があり、一方向的なものになりがちです。それが悪いというわけもないのですが、選択の幅が狭まり、自由度が低いのは確実。

家が揺れやすい

細長い家を建てる場合、正方形に近い形よりも縦横比でバランスが悪く、横揺れに弱いになります。建築の際に強度や地盤対策などを施せば安全面で問題はありませんが、通常より費用がかかってしまいます

また、安全ではあってもある程度横揺れは発生してしまうので、揺れに弱い方は注意かもしれません。

駐車がしづらい

幅5mを切る間口の狭い土地では、車庫入れもしづらくなります。比較的交通量の多い道路に面している場合、何度も切り返しながら車庫入れをするのは運転が得意な人でなければ難しいかもしれません。

工事が難しい

狭小地全般に言えることですが、土地の幅が狭いことでも工事の難易度が上がります。

足場が組めない、重機が入らない、一般規格サイズの部材が使えないなど、工務店の十分な技量と経験が必要であったり、追加費用がかさんでくる可能性があります。

細長い土地での家づくりでおすすめの工夫

土地の奥まで光が届くように設計する

具体的には以下のような工夫を取り入れると効果的です。

  • 吹き抜けをつくる
  • 中庭をつくる
  • 天窓をつける

建築基準法に定められた採光基準により最低限必要になる部分もありますが、それ以外でも可能な範囲でできるだけ積極的に取り入れていくといいです。明るさはあとからどうにもできないですから。

ただし、光と断熱性はトレードオフになることが多いので、そのあたりに気を付けながらバランスが取れると良いと思います。

視線の抜けを作る

横幅が狭く視線がすぐ壁にぶつかるのはどうしようもないことですが、そのデメリットをカバーする工夫として、視界を分断せず、別方向に視線が抜けるようにすることが挙げられます。

また、色の効果をうまく使ったり、外と内や内側の各スペースをうまくつないでいくと、実際の数字よりも広がりを感じられる空間づくりができるでしょう。

具体的には以下のような感じでしょうか。

  • 吹き抜けをつくる
  • 部屋を細かく仕切らない
  • 床や仕切り、扉に透ける素材を採用する
  • スケルトン階段にする
  • 壁の色を工夫する

構造を強固にする、地盤改良を行う

揺れやゆがみに強くするため、家自体の構造を一般的な木造ではなくより丈夫な鉄骨造などに変える必要があるかもしれません。

また、上の建物が高くなる場合にはそれを支える土地にも十分な強度が必要になるため、地盤強度が不足する場合には杭打ちなどの地盤改良を行います。

駐車場、車が必要か精査する

車を使う度に車庫入れでストレスを感じるようであれば、コンパクトな停めやすい車種に買い替えることも考えたほうがいいと思います。

また狭小地の場合は、細長い土地であること以前に、駐車場を作ることで住居に使える面積を削ることになるので、自家用車を所有することが本当に必要かどうかも含めて考えるといいでしょう。

一戸建てでは駐車場がついていることが当たり前のように思えてしまいますが、その常識をいちど取り払ってみることも必要です。

emma

我が家では月数回程度の利用だったので、維持費も考えて自家用車の所有はやめることにしました。

それでもやっぱり住んでからちょっと困っていること

横幅2.5mの土地、内幅1.8mのわが家では、上記に挙げた工夫はほぼ全て取り入れました。そのことによって細長い家のデメリットはかなり解消され、後悔はなく楽しく暮らしています。

ただ、それでもちょっと不便だなと思う部分はこんなところです。ご参考までに。

  1. 通路が狭く家族とぶつからずにすれ違えない
  2. 個室がないためオンライン会議などが不便
  3. 揺れによって家具の不具合や壁の割れなどが出る
  4. 大画面テレビと目が近くて疲れる

(1)とか(4)とか、我が家が幅1.8mしかないからだと思うので、それ以上の幅があればそんなことにはならないと思いますよ。(3)はまぁ仕方がないとして、(2)もコロナ以前では想定外だったのでまぁ仕方がないですね。

不満はあれど工夫すれば問題ないレベル細長く幅の狭い家で後悔するようなことはこれまでありません

emma

狭いのわかってるくせに奥行きのある机とかテーブル下に収まらない椅子とか買うのが悪いんですよね…。

細長い土地は制約があるけれど工夫次第で良い家にできる

我が家では最上階中央に中庭を作りました。とても良かったです!

細長い形状の土地の特徴と家づくりで気を付けるべき点についてお話しました。

クリアすべき注意点はいくつかありますが、基本的にはシンプルなハコ型の家が建てやすい形状の土地です。土地の価格も安めに抑えられていることが多いので、特性を理解しながら検討してみると良いでしょう。

個人的にはシンプルがゆえに遊びも効かせやすく、アイディア次第でけっこう楽しい家が建てられる土地形状でもあると思いますよ!

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