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【ユニットバスvs在来工法】デザインと機能性の二択。在来風呂を採用した経験談

浴室はユニットバスのつもりだったのですが、おしゃれなデザインのお風呂にも惹かれていて…。昔ながらの工務店さんに作ってもらうお風呂ってどうなんでしょうか。経験談を聞きたいです。

最近ではユニットバスが主流ではありますが、どうしても画一的なデザインになりがちです。せっかく注文住宅でこだわりのデザインにしているのにお風呂だけとってつけたようだとなんだか悲しい…。

そんな方は手作りの浴室(昔からある工法で作られるため在来工法と呼ばれます)を検討してもいいですよね。

ただし、昔は在来工法一択だったものがユニットバスが出てきて主流となってきているのには理由があります。

今回は、在来工法の浴室とユニットバスの違い、メリットとデメリット、実際に在来工法を採用した我が家の体験談をお話します。浴室どうしようかお悩みの方にぜひ読んでいただきたいです!

↓これが我が家の浴室です。在来工法だからこその工夫をたくさん詰め込みました!

目次

在来工法とユニットバス、どちらを選ぶかはこだわり次第

あなたは浴室をどんな空間にしたいですか?

お風呂なんてそんなに入らないし安全に使えればそれでいい、という方から、一日の疲れを癒したり半身浴でゆったり過ごす大事な寛ぎの場所だからデザインや調度にもとことんこだわりたい!という方もいらっしゃると思います。

在来工法にしかできない浴室の良さは確実にあります。デザインや機能にこだわった浴室を作りたい方は在来工法を積極的に検討するといいでしょう。ただし、リスクやデメリットもかなり大きいので、しっかりと理解した上で検討を進めていただいたほうがいいと思います。

我が家は在来工法を採用し、気に入ったバスタブやシャワーを入れたことで家全体の中でも浴室がかなり贅沢空間になりました。最初からものすごくこだわっていたわけではないのですが、結果的にとてもお気に入りの場所になり、お風呂に入ることが好きなことのひとつになりましたよ!(それまではたいして好きじゃなかった…)

emma

ハウスメーカーや一部工務店ではリスクを避けるため今では在来工法を受けないところもあるかもしれません。まずは可能性を確認しましょう。

なんといっても自由度の高さ!在来工法のメリット

デザイン性の高い浴室にできる

あらかじめ決められたパネルを使うわけではない在来工法では、素材感や色使いでデザイン性の高い浴室を作ることができます。

例えば壁の色を居室と合わせることで統一感を出したり、タイルなどの異素材を組み合わせることで雰囲気を出すこともできますね。

個人的には、どうしてもユニットバスって他の居室に対してデザイン的に浮いてしまうなぁと感じています。もちろんグレードにもよりますがどうしても人工素材が多く安っぽいなという印象も否めず。機能的なんですけれどね。

狭小住宅では、浴室も居住空間と一体感・つながりを持たせて空間の広がりを感じさせることができます。

ちなみに我が家で取り入れた工夫ポイントは以下のような感じでした。

【我が家の浴室で取り入れた設計の工夫】

  • 中庭とつなげ、全面窓で解放感を出す
  • 中庭と段差をつけて浴槽に浸かると空が見える床レベルにする
  • 下部の段差を透かせて階下に光を落とす
  • 脱衣室、テラスと壁面色を揃えて空間の一体感を出す

パーツが自由に選べる

デザイン性の高さには、内装だけではなく浴室のパーツも重要なポイントです。浴槽や水栓金具などですね。

ユニットバスの場合はそれぞれのメーカー指定の数種類から選ぶかたちですが、在来工法なら国産・外国産のどんなパーツも選び放題。憧れの猫脚バスタブやホテルライクな水栓金具だって付けられます。

我が家ではゆっくり浸かれる浅くて長い洋バスとオーバーヘッドシャワーを取り付けましたよ。

カルデバイの琺瑯置きバス。むき出しが武骨でけっこう好きです。10年たっても意外と割れたりもせず使えています。
ハンスグローエのレインダンス。安いやつなんで部材が外に出ていてシャワーも質素なタイプ。オーバーヘッドシャワーがダウンライトと被ってる‼
emma

分譲マンションに住んでいた時のユニットバスの浴槽エプロンを外したときのやっつけ感にがっかりだったし、虫が発生したりして嫌だったので、オープンタイプのシンプルな置きバスはとても気に入っています!

浴室サイズが自由にできる

浴室自体のサイズを自由にできるのも在来工法のメリットです。ユニットバスでは規格サイズが決まっており、基本的に数種類のサイズからしか選ぶことができません。

1216、1616などと呼ばれるものはユニットバスの内寸を示しており、1216なら幅120cm×奥行き160cm(0.75坪)のユニットバスを指します。

狭小住宅の場合は家の幅や床面積が狭いため、規格サイズでは微妙に合わずデッドスペースができてしまったりします。浴室サイズに合わせて脱衣室の壁も面を揃えたら全体が狭くなってしまったなんてことにもなりかねません。

在来工法であればサイズは通常の居室同様ミリ単位で設定ができますので、スペースの無駄ができることはありません

機能性では不安あり。在来工法のデメリット

防水性能が低い、メンテナンスが必要

一体成型で作られているユニットバスとは異なり漏水のリスクはどうしても高いことを認識しておきましょう。

また、塗装の禿げや割れも頻繁に水がかかったり湿度が高いことによって起きやすくなります。

初期には幸運にも不具合がなかった場合でも、経年による素材(コーキングやシール)の劣化が発生しやすく、ユニットバスよりもメンテナンスの頻度は高くなると考えたほうが良いでしょう。

emma

我が家では住み始めてすぐに水漏れが発生しました。当初の仕上がりはきれいだったのですが漏水防止のために後作業したシールがあまりきれいではなくてがっかり…。

↓我が家の悲しい現状です(はやく補修工事完了したい…)

保温・断熱性が低い

ユニットバスに比べ、在来工法の浴室は寒い、とよく言われます。ユニットバスは部屋の中にさらに箱が入る二重構造のため断熱性があるということのようですね。

我が家の場合は3階に浴室を設置したため、冬でもあまり寒いとは感じていませんが、1階に浴室を置く場合や寒さが気になる場合などは断熱についてしっかり確認したほうがよさそうです。

掃除・メンテナンスが大変

一体成型でスキマや溝が少ないユニットバスに比べ、いろいろな素材を組み合わせていたりその切替部分がある在来工法の浴室は、どうしても汚れや水気がたまりやすく、カビや劣化の原因になりがちです。

綺麗に使い続けるためには、しっかり水気を飛ばしてあげたりこまめに掃除をすることが必要になります。

価格が高い

工業製品である部材を現場で組み立てるユニットバスに比べ、通常の人手をかけて作られる在来工法の浴室は費用が高いです。

通常の部屋と比べても防水、配管、排水など作業工程も多く、職人さんの必要人数も多い。その分価格がかさんでしまいます。ただ、他の場所の工事と合わせて行うので単純なプラスになるわけではないですね。

emma

ちなみにユニットバスでもグレードの高いものでは数百万の価格のものもあったりしますから、一概に在来工法だけが高いとは言えませんね。

それでも在来工法の浴室を作りたい!という方が覚えておくべきこと

在来工法の浴室にはデメリットやリスクもかなり大きいということはご理解いただけたでしょうか。

我が家も10年以上も住みながら初期の不具合の補修がいまだに済んでいない(‼)のですが、それでも在来工法の浴室にしたこと自体は後悔していません。それぐらい、デザインの力は偉大なのです(少なくとも私にとっては)。

リスクを理解しながらもそれでも在来工法の浴室を希望する方は、以下のようなことも考えておくといいと思います。これは不具合を経験しまくっている私たちからのアドバイスです笑

不具合が起きた際を想定する

まず、不具合は必ず起きるぐらいの気持ちでいること。しっかり施工がされていても揺れなどに負けることもありますし、経年での不具合も非常に起こりやすいです。

大切なのは不具合が起きないことを目指すよりも、不具合が起きたときのことを想定しておくことです。

トラブルが起きたときの対応は想像以上に面倒です。

漏水などは発生個所も明確にわからない場合が多いですから、再現性を確認したり、仮の処置を行ったり、修理の方法はどうするか、設計のミスか施工のミスかどっちなのかなど、打ち合わせが穏やかにはいかないことも多いですし自分たちの時間と精神とお金を消耗する可能性が高いことをあらかじめ想定しておきましょう。

安全性を考えた設計をする

在来工法の浴室は見た目がすっきり綺麗に仕上げられるのですが、初期段階であまり安全性を重視した設計はなされていません。

ユニットバスでは滑りにくい床になっていたり、手すりや摑まる場所がついていたりしますが、そういった配慮はなされないことが多いです。

設計段階ではあまり想像がつかないことが多いですが、安全性の担保についても頭に入れておいたほうがいいと思います。

emma

我が家の浴室床はモルタルむき出しなのでとっても滑ります。そして何回か転んでいる…泣。次回補修の際には手すりをつけようかと思っています。

ハーフユニットバスも検討する

漏水や不具合はできるだけ避けたい、でも設計の自由度も捨てきれない。

そんな方は、腰位置から下のみのユニットバスを検討してはいかがでしょうか。お湯が頻繁にかかったり流れたりする位置をユニットにしておくことで、水漏れのリスクを大きく下げることができますし、施工の手間もカットすることができます。

サイズ制限は逃れられませんが、ユニット部以外は自由に設計できるのでデザイン性との両立ができていいですね。

メリットとデメリットを考えて後悔ない浴室づくりを

在来工法で浴室を作り上げることで、デザイン的には非常に満足度の高い空間にすることが可能です。

ただし他の居室などに比べ、浴室はお湯を流したり湿気がこもるため、環境としてはとても厳しい場所です。工業製品を組み立てたユニットバスに比べ、在来工法の浴室はトラブルや劣化が起こりやすいということはあらかじめ理解しておいたほうがいいと思います。

正直なところ、竣工当時の美しさを保つ、というのがかなり難しいなと私は思いました(それなりに古びていくのも素材によっては悪くないですけれどね)。我々は他の建築でもだいたい竣工か住みはじめのきれいなものしか見ないことが多いですが、実際に住み始めたらそうでなくなることも多いですよね。浴室はその最たるものかもな、という気がします。

我が家はこういったリスクをあまり理解しないで在来工法に踏み切ったので、正直なところ現在進行形でちょっと面倒なことになっています。ただ気に入った空間であることは事実で後悔はしていません

皆様がユニットバス、在来工法どちらかを選ぶ際に後悔がないよう、この情報が少しでもお役にたてれば幸いです!

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