高いお金を出して作る注文住宅。出来上がってから後悔のないようにしたい!
みんなどんなところで後悔しているんだろう…?経験談を聞きたい。
我が家の場合は後悔がどうとかはあまり深く考えていなかったし、まあ、不足があってもなんとかなるだろうというイージーな気持ちを持っていたのですが、それでも後からそれなりに「ここはこうしておけばよかったなー」ということは出てきています。
注文住宅が完成して住み始めてからもうすぐ10年、もう少し深く考えて決めたほうがよかったかも…、と思ったことについて書いてみます。これから家づくりをする方々の参考になれば幸いです^^
住宅設計で大きな後悔を生むもの、小さな後悔を生むもの
私の経験をもとに感じたのは
大きな後悔を生むのは「お金」「快不快」が絡むもの
小さな後悔を生むのは「使いやすさ」「メンテナンス性」が劣るもの
だということ。
大きな後悔は間取り、水回りなど設計の要や竣工後容易に改造などができないところになりがち。
小さな後悔はそこまでではないけれど日常的に小さな不便やストレスを強いられる部分です。
大きなものならもちろん些細なことでも事前に気づけるものは防いでおきたいですね。
我が家で後悔している設計・設備の具体例
コンセント、ガス栓位置
これは定番中の定番後悔ポイント。というか、ここをぴたっと設計できる人はなかなかいないのでは?
我が家もそれなりに多くの箇所にコンセント挿し口をつけてもらい、プラスこだわりの箇所(ダイニングテーブル天板の裏とか!)にも仕込んでもらいましたが、やっぱりここにないと不便だなとか、配線が丸見えできれいじゃないなとかが大量発生しております。
- デジタル機器を使う場所の配線が丸見え(スマホ充電、ノートパソコンのアダプタなど)
- 階段付近のコンセント挿し口がない(サーキュレーターとか置きたい)
- コンセント挿し口が壁面片側にしかない(なんでそうしたんだっけ…)
エアコン設置
我が家はエアコン(冷房)が苦手な住人がいて前の住まいではあまりエアコンを使っていませんでした。冬はストーブやファンヒーターを使いますが、まぁエアコンはなくても大丈夫かな…、どうしても困ったらあとからつければいいもんね!と思い、新築設計時はエアコンの設置をしませんでした。
これは失敗だったなーと思っています。(考えてみれば冷房あまり使わなかったのはマンションだったからなのかも)
引っ越し後2年ほど夏を経験してみて、猛暑が続いたり猫を飼っていることもあり、どこかしらにエアコンを置いて避難できる場所が必要、という結論に至ったのですが、狭小3階建てに後付けのエアコン設置はかなり難儀なものになりました。
- 狭い空間に室内機がせり出すため見栄えが悪い(カバーもなんかね…)
- 室外機の設置場所が限られる。
- 室外機から大きく離せないため上層階への設置が困難。
- 壁の穴あけが困難(外壁はパネル、隣家との間は足場が組めない狭さ)
結局現在は物置化している地下一階に設置することに。最初から居住空間に設置する前提で設計してればよかったな…。
スリット窓
我が家はもともと長屋でつながっていた土地なので、両隣家との隙間はほとんどなく、左右の壁には窓がほぼありません。代わりに全面と背面の壁はほぼ窓!っていうぐらいに窓にして採光や外気を取り入れるかたちになっています。
しかしこの大きな窓たちにはひさしなどがなく雨の日には開けられないし、ちょっとした外出でも防犯上閉めておかないとならないのがちょっと不便。
雨が降っているときでも開けておける窓、あとは常時開けておけるような人や猫が通れない大きさのスリット(すべりだし)窓などが欲しかった。
これまでマンションやアパート、古い一軒家住まいでスリット窓といえばキッチンについているようなものしか知らず、その便利さに気づいていませんでした。まぁ、知らないものは気づけないですからね。残念。
中庭の広さ
採光目的も含めて中庭を作ったのですが、もともと庭とかテラスにあこがれもなかったので最小限の面積でしか作りませんでした。
でも、できあがってみたら中庭すごくよかった!もっと広くすればよかった!
夏場は窓を開けて屋内の延長として使えるし、冬場で出ない場合でも室内と床ラインがつながっているので狭小住宅でも広がりを感じます。
いわゆるベランダとは全然違うもんなんだな、と住んでから気づきました。
自転車置き場
我が家の自転車所有台数は2台(シティバイク)。外には置き場を作るスペースがなかったため、玄関を入ってすぐの場所に取り付けタイプの自転車ラックを両壁につける想定にしました。実際に自転車を設置してみると家の幅が1.8mのため、入っていきなり狭い感じに。
当たり前なんだけど家の中に自転車置くとけっこう邪魔。
雑誌とかでよく見ていた、かっこいいインナーガレージに自転車がかけてある図を想像していたのですが、我が家の2平米弱の玄関では「え?ここ物置?」みたいな感じに。。
やっぱり図面だけでは空間のイメージはしづらいですねー。
IKEAの大型家具
施主支給としてIKEAのクローゼット(PAXシリーズ)と作業用机(MICKEシリーズ)を持ち込み、自分たちで組み立てました。
が、耐久性が良くなく、5年以内に歪みなどが発生してしまっています。数万~十数万の出費でしたので、これならもっと長持ちするものを選びたかったなと思います。
IKEAの家具はものによってはすごくいいんですけど、ものによってはけっこうすぐダメになっちゃうものもあります。木系のはけっこうダメになりがちな気がしますね。選ぶならスチールとかのにしたほうが長持ちすると思いますよ。
詳しくはこちら↓
IKEAのホットドック美味しいよね!IKEAはたのしいけどもの選びは慎重にね!
猫トイレの場所
猫3頭の多頭飼い(設計時は2頭)をしており、猫のことも考えて設計をしたはずなんですが、なぜか猫トイレをどこに置くかまではさっぱり考えておらず…。というか、ま、ここでいいんじゃないかなと階段下引っ越し前はどこにトイレを置いていたのか忘れてしまったほど、あまり意識していなかったのだと思います。
引っ越し後、3頭分のトイレ4個となるとけっこうなスペースを取るうえ、砂ぼこりは舞うし臭いはするし。最初は階段下のデッドスペースに置いていましたが、階段回りが砂ぼこりだらけになるのと掃除がしずらいのなどで、その後置き場所は試行錯誤し続けています。
ただしこれは置き場所をきちんと決めていても思う通りに使えるとは限らなかったでしょう。猫の好き嫌いもありますしね。
空間の仕切り
我が家は三階建て・南北に高い土地で、光と風をできるだけ奥と地下に届けるため、吹き抜けを作ったり、スキップフロアで部屋の仕切りがなくその段差もスキマになっており、空気が流れるようになっています。
なので、上階と下階の南北で窓を開けたら風が通っていって気持ちいい!
のですが、逆に言えば冷気・暖気があっという間に流れていってしまうということにも…。
人がワンフロアに集っている際には他の階に暖気や冷気が流れていってしまうのはもったいない。状況に応じて開け閉めできる開口部を考えておくとよかったかもしれないなと思っています。
あとは、ドアが全くない設計で、個室空間がお風呂しかないんですけど、これがオンライン会議とかするときにけっこう不便だなぁと思っています。うちが設計したときはそんな機会はなかったから後悔とかではないんですけど。
可動式間仕切り(猫脱走防止扉)
玄関を開けたとき飼い猫が外へ逃げてしまわないように居室と玄関の間に可動式(普段は壁に収納されている)の扉を付けたのですが、扉が大きく開け閉めに手間がかかるため、面倒でほとんど使っていません。
ほんとは宅配便の応対の際などにもさっと閉めて出たりしようと思ってたのですが、急いでいるときにそんなこともできず、そもそもその時すでに猫が玄関側に出ていることもあり…。最近では猫が出ないように見張りながら出入りをしたり玄関をほんのわずかに開けて荷物対応をするのが常になってしまいました…。(ドライバーさんすみません)
ずぼらを自認している方は、ワンアクションで使えない設備は使わなくなると心得るべし!
そして収納されっぱなしの扉の前には荷物が置かれ、もはや開かれることはなし…。せっかく造作で作ってもらったのに。。
宅配ボックス
後悔まではいかないですが、コロナ禍以降ネット注文することも増えたので、宅配ボックスはつけとくべきだったかなぁと思ってました。
玄関むき出しの我が家では置き配とかも難しいので、再配達になると申し訳ない気持ちです。。
ただ、宅配ボックスの設置はそれなりに費用がかかりますし、玄関まわりの見た目がどうしてももっさりしてしまうので、実際には検討しても却下していたかもしれません。
最近はコンビニ受け取りやPUDOとかも充実してきたので、都心の住宅であればそれで代替できることも多いです。
我が家のような狭小住宅ではいかに外部の機能に頼るか、というのも暮らしのコツと言えるような気がしています。
後悔をなくすのは無理だけど…後悔を減らす事前策を
多くの人は注文住宅を建てるのは人生で一度きりだと思いますし、万全を期して選択をしたいと思うはず。でも、一度きりだからこそ、自分の理想通りのものをつくるのは難しい気がしています。というのは、日当たりや室温、空間距離などは、設計図や模型ではどうやってもイメージしづらいから。
私も、住み始めてだいぶ経ってあれこれ気づいた今なら
「次はきっと理想の住まいが作れるぞ!」
と思ったりもしていますが、やってみるとそれもまた難しいのでしょうね。。
出来ることといえば自分の生活スタイルや動線、性格や癖などを考えて設計の打ち合わせをすること。
また竣工後の作業では費用や難易度が上がる設備もあることを踏まえて設計の取捨選択をすることが重要です。
そのためには施主にとことん付き合い、一緒に希望を形にしてくれる家づくりのパートナー探しが大切。現在は無料で建築会社を紹介してくれたり間取り提案を受けられる便利なサービスがあるので、上手に情報収集してベストパートナーを見つけることが後悔のない家づくりの近道ですよ。
みなさんが悔いの少ない家づくりをできるよう、応援しています!