猫飼いのみなさま、猫を脱走させてしまったことはありますか? 私は、何度かあります…。そのたびどきどきはらはらして大変なことになってしまいました。
- 人の帰宅時に玄関からの逃亡を試みる猫との闘いに敗北
- 人が通れないサイズのスリット窓を油断して開けていたら猫が出ていた
- マンションのベランダの柵をつたって隣家に侵入
- 屋上のへりから足を滑らせ隣の家の屋根に落下
- 預かっていた猫がテラスのはしごを上り屋上から脱走…
おまえ油断しすぎだろ!
はいすみませんその通りです…。猫飼い失格ですね。ただ、猫はそれだけ脱走しやすい動物です。
万が一猫が脱走してしまったら、慌てず、騒がず、慎重に。
また脱走させないために知っておくべきこともあります。これまでの経験から皆様のお役にたてることもあると思いますのでまとめてみました。
猫が脱走してしまったらすべきこと
ケース1:出てしまったばかりで手が届く
玄関を開けた瞬間に猫が飛び出してしまった!まだ猫が目の前にいる場合です。
飼い主も大変びっくりですが、初めてのケースであれば猫もびっくりして立ちすくんでいる状態だと思いますので、あわてず冷静にしっかり捕まえましょう。そっと全身で抱きかかえにいくように。一撃で仕留めてください。
とにかく猫をびっくりさせないこと。驚いたはずみで走って逃げてしまいます。
ただしこの方法は何度も使えません。猫が外に出てびっくりして止まるのは最初のうちだけで、そのうち慣れると出てすぐ脇に逃げ込んだりして捕まえられなくなります。まずは出してしまうことのないように気を付けなければいけません。
ケース2:近くにいるが捕まえられない距離
猫が見える範囲にいるが、手が届かない場合です。猫は逃げると広い場所に走っていくというよりは、家の隙間や植え込みなどに入り込んでしまう場合が多く、猫よりも体の大きい人間では近づいていくのが難しいこともあります。
隣家の敷地に入ってしまった
玄関から出て隣の家の敷地に入ってしまった、ベランダから隣の家にわたってしまったなど、本当によくあります。
人様の家の敷地に勝手に入ることはできないので、家主にお願いしてまず庭や家に入らせてもらうことになります。まずはお願いしましょう。
隣の方が不在の場合もありますが、その場合はどうしようもないので離れた場所から根気よく待つ、ごはんなどでおびき寄せましょう。
追いかけていかないで、呼び寄せる
外に出てしまった猫は大興奮しているので、たとえ飼い主であってもあからさまに追いかけるとどんどん逃げてしまいます。近づける場合でも走って追いかけたりむやみに距離を詰めるのはやめましょう。
猫が安全な場所で止まっている場合は、やたらに近づかず、目を離さないようにしながら少し見守ります。
落ち着いてきたら、名前を呼び掛けてみたり、大好きなご飯などを出して呼び寄せを試してみましょう。
捕獲は落ち着いたタイミングで
やった!ご飯を食べに来てくれた!
っと思ってすぐに捕まえようと手を出すとまた逃げてしまいます。ご飯を嗅ぎ出したぐらいではまだ警戒していますので、本格的に食べだすまで待ってあげてください。
できれば猫の前から手を出さず、後ろから回り込んで本人に捕まえる気配を悟られないようにしたほうがいいです。
捕獲の際は大きいエコバッグや布などを上からすっぽりかぶせて袋ごとつかまえるような形が安全。
ケース3:居場所がわからない
気が付いたら猫が家のどこにもいない、窓が開いていて出てしまった形跡がある、と脱走から少し時間が経ってしまった場合は、猫がどこにいるかを見つけるのが最難関です。
半径20~50mぐらいの圏内をくまなく探す
時間が経過しないうちに逃げた場所から同心円状に探していきましょう。ずっと室内飼いで外に出ていない猫であればそれほど遠くには移動しません。私が逃がしてしまったときも捜索に5日程度かかりましたが、発見したのはかなり家から近くの場所でした。土地勘がない状態であれば50m圏内ぐらいに潜んでいる可能性が濃厚です。
野良猫でなければ広い場所でのんびり昼寝している、なんてことはまずなくて、建物の脇や物陰など目につきづらく身が隠せる場所に潜んでいることがほとんどです。身を低くしてしっかりさがしましょう。
家の入口近くにご飯を置いてあげる
家の外で数日過ごした猫はご飯が食べられずお腹を減らしているはずです。家の近くに戻ってきて食べる可能性もあるので、猫缶などを出しておきましょう。可能であれば室内からカメラなどで撮影しておくといいです。
できれば家の窓も一部開けておくと戻る可能性もありますが、防犯上難しいこともありますし、多頭飼いの場合は無理ですね。。
迷い猫の張り紙を作る
2~3日探しても見つからない場合は迷い猫のポスターを作って近所に貼りましょう。
パソコンでも手書きでもいいですが、以下のような内容を入れます。
- 「猫を探しています」
- 猫の写真(全身映っているのがベター。尻尾の長い短いも見えるように)
- 脱走日、猫の情報(名前、柄、特徴、年齢など)
- 飼い主の名前・連絡先(携帯電話)
50枚ぐらいコピーして、電信柱などに貼り出します。雨に濡れて読めなくならないよう、防水しましょう(クリアファイルやビニール袋に入れるといいです)。
迷い猫のポスターとか効果あるのか疑問でしたが、私の場合は3人ほどの方から電話をいただきました。見に行ったら違う猫だったりして直接発見にはつながりませんでしたが、効果はとてもあります!そして人の温かみがとてもありがたかった。。
保護団体などに協力してもらう
数日探しても見つからないと飼い主の気力・体力ともに消耗してしまいます。可能な場合は地域で活動している保護猫団体に協力やアドバイスを仰ぐのも良いかもしれません。
我が家の場合は保護猫団体から預かっていた猫を脱走させてしまったため、団体のボランティアさん数名に一緒に探していただきました。捕獲に慣れている人たちの知恵・行動力はさすがです。最終的にはうちはボランティアさんに発見・捕獲してもらいました。
猫捕獲に必要なもの
猫を探す、捕まえるときには以下のものを持っていきましょう。
- 懐中電灯(探す)
- 猫缶、好きなおやつ(呼び寄せる)
- 大き目の袋(捕獲する)
そもそも猫はなぜ脱走してしまうのか?
好奇心
特に若い猫は好奇心が旺盛なので頻繁に脱出を試みます。脱出を試みる子は外が好き、というよりは冒険したい、刺激が欲しいという気持ちが強いように見えます。
人が外に出るタイミングを察しては玄関でスタンバイして出てやろうという気満々。でもこれも歳をとってくると落ち着くようです。
頻繁に玄関にやってきて出ようとしていたうちの猫も、10歳前後くらいから脱走はおろか人間のお見送り、お迎えにもまったく興味がなくソファでくつろいでいます。。
驚いたはずみ
大きな音や衝撃で驚いたり、知らない人が来たりした場合、猫はパニックになってしまうことがあります。急に走ったり、はずみで開いているところから外に出てしまうことがあるでしょう。
発情期
避妊・去勢手術をしていない猫の場合、発情期を迎えていると本能的に外に出会いを求めて出てしまうことがあります。
我が家では預かっていた猫が避妊手術していると思っており、発情期ということにも気づかず過ごしていたら、テラスから人用のはしごを上って屋上から飛び降りて出て行ってしまっていました。そして数日後無事捕獲したら、なんと妊娠していました!
3階建ての屋上からの大脱走ですよ。猫の本能の強さすごすぎ、そして目的達成能力高すぎ!
もう脱走させない!猫が脱走しないためにしておくこと
玄関を急に開けない、猫を玄関まで来させない
好奇心旺盛な猫であれば、玄関が開いた隙に外に出ることを狙っています。玄関を開ける際には猫が近くに来ていないか確認が必要です。
宅配便の人や来客が玄関を大きく開けてしまうことがありますが、「猫が逃げてしまうので」と言って、家のドアは最低限だけ開けましょう。
私の場合は外出前・帰宅時には猫がすでに玄関に来てしまっていることが多かったです。可能であれば玄関から少し離れたスペースに脱走防止柵などをつけておくといいかもしれません。
すぐに玄関から出ようとする猫を遠ざけるために、おもちゃを投げたりおやつを部屋においたり、外出前が何かと大変だった時期もありました…。遅刻するよ!
窓の鍵を閉める、網戸にストッパーを付ける
猫はけっこう力持ちなので、網戸やガラス窓も器用に開けてしまいます。基本的には家の窓は閉めて鍵をかけておきましょう。
とはいえ開かずの窓だけでは不便、夏など網戸にして風を通したい場合もあるでしょうから、窓枠に付けるタイプのストッパーを使用するのが便利です。
↑我が家ではこのタイプを使用しています。本来はサッシ窓自体を止めるもののようですが、私は網戸枠と止めるのに使用しています。貼り付けるタイプの網戸ロックとは異なり、「窓を開ける幅が変えられる」「他の場所に移動できる」のがポイントが高いです!
我が家は通風のために窓を開けておきたいことが多いので、こういう後付けツールを使わずとも猫が出ていかないタイプの窓を設計時から検討しておくべきだったなぁと思っています。。
避妊・去勢手術をする
経験者は語りますが発情期の猫の脱出力はものすごいです!繁殖を目的にしていないのであれば、適切な避妊・去勢手術を施しておくことが必要です。
飼い主の名前・連絡先を書いた首輪をつけておく
外に出てしまった際に首輪をつけていないと、野良猫と判断されてしまうかもしれません。もしも誰かに保護された際に首輪から連絡先がわかれば非常にスムーズですのでつけておくことをおすすめします。
猫が脱走したら焦らず探すこと。家には脱走防止の工夫を。
完全室内飼いの猫は、外に出ると怪我や事故、病気のリスクが高いため、間違って脱走してしまわないように注意が必要です。
家には脱走防止の工夫をしておくこと、そして万が一脱走してしまったときにはどうするのがベターか、あらかじめ知っておいて焦らず対応できるようにしておくといいと思います。うちももう脱走させないように十分気を付けていきます!