
コーヒーインストラクター1級の試験を受けてきたよ!
こんにちは。狭小住宅に住みながらコーヒー専門店でアルバイトをしているemmaです。
コーヒーインストラクター2級は15年前(!)に受験してぎりぎり合格していますが、1級は超難しいみたいだしまぁいいかーと思っていました。
しかしその後なんだかんだ15年もコーヒーの仕事を続けているので、勉強のしなおしの意味も含めて受験することにしました。(記念受験の気持ち満々!)
合格率が低く、コーヒー業界でも難関といわれているこの試験。2日間の講習を経てこのたび無事受験が終了しましたので、自分のための備忘録とこれから受けるみなさんの参考になればとこの記事で概要をまとめておきたいと思います。
受験した感想



やっぱり難しかったー!
直近の合格率を見ても再試含め2割弱の合格率であるコーヒーインストラクター1級。
どんな問題だよ、絶対受かる自信ない…と思って受験しましたが、感想としては、
「やっぱり難しい。ただ、落とすための試験ではないので、しっかりやれば受かる人は受かるだろうな」
と思いました。
試験は実技と学科に分かれていますが、
- 実技は事前に出題の予想が可能(ただし正答は難関)
- 学科は過去問や山はあまり役立たない(ある程度傾向はあるが出題個所は毎回変わる)
なという印象です。
受かるためにはどうすればいいか?
試験を受けたうえで、受ける前の自分に対して「受かるためにはこんな風にしたらいいよ」というアドバイスをするならこんな感じ!
- 実技:絶対落とさない箇所を作っておく、事前勉強は満点目指してがんばる
- 学科:2級範囲含めまんべんなく暗記しておく(筆記があるので内容の理解も必要)
細かく説明しますね。
実技
実技に関しては、過去の傾向から「こんな問題が出題される」というのは事前に予想が可能です。(もちろん今後傾向が変わる可能性はあります)
ですので講習会では様々なカッピングをしますが、試験対策では全部を網羅する必要はありません。
そして実技の試験問題数は少なく、配点は5点と10点なので、数問落とすと簡単に合格ラインを割ってしまうのが難点。
合格のためには、直近の傾向から出題問題と配点を考慮して勉強対象を絞り、「絶対に落とさない問題」を積み重ねていくことが必要です。
実技試験の中でも、比較的点が取りやすいものと、検体の傾向の違いなどで落としやすいものがありますので、まずは
取れるものを確実に取れるようトレーニング(できれば80点)、そのうえで全問正解に向けてトレーニングを重ねる
が良いと思いました。
試験前にもらえる検体(講習のおみやげ、有償キット)と試験当日の検体はロットが違うためかかなり印象が異なることがあります。(私の場合は試験時のほうがわかりやすかったものとわかりづらかったものがあった)
なので、勉強時に「これは絶対わかる!」というレベルにしておかないと試験当日はけっこう迷ってしまいます。



私は、事前には「絶対わかる!」と思ったものがわからない気がして、「これはわからん…」と思っていたものは当然わかりませんでした笑
学科
出題の傾向はある程度ありますが、配点は謎ですし、出題範囲もまんべんないです。
そして、出題数が思っていたよりも多かったですね。
試験の時間は90分ですが、記述問題の質問意図を汲み取るのが意外と難しく、言い回しに迷ったり漢字が書けなかったりしているとあっという間に時間が過ぎてしまいます。
穴埋め問題では意外なところを埋めさせられたり、○×でも一部は合っているが一部が間違っているような記述があって迷いがちなので、細かいところまで正確に暗記していることが必要です。
実際に私も教本を何回も通読したつもりでしたが、「えっこんなこと書いてあった?」っていう内容がありました。(ちゃんと見ると書いてあったりするんですけどね…)
人間は自分が重要でないと感じる箇所は読み飛ばしてしまう傾向があります。怖いですね。。
筆記は下手に山をはらずにとにかく暗記。そして記述に備えて内容をきちんと理解しておくことも必要です。



教本だけでは理解できない部分はネットで調べたり他の書籍も合わせて読んでおくといいと思います。
↓下記の本は2006年版コーヒー検定教本の著者である石脇智弘氏(JCQA名誉鑑定士!)の著書。教本に書かれている内容がかみ砕いて説明されているので理解の一助におすすめ!(そしてイラストがかわいい!)
試験概要と設問
第21回の試験概要と設問内容を公開します。詳細な問題の内容については別記事でまとめようかなぁと思っています(また気力のある時に…)。
配点については直近の試験合否発表結果をもとに予想で書いておりますのでご了承くださいませ。
タイムスケジュール
第21回当日のタイムスケジュールです。基本のスケジュールは受験票の裏に記載してありました。
当日、スケジュールが変更になることもありますがあわてず受験しましょう!



第21回(2期)では問題用紙の配布に間違いがあったのか、いったん配布されたものが回収となり若干時間が押しました。
以前にはアクシデントにより実技と学科の順が入れ替えになったこともあったようですね。
進行とルール
受験時の進行とルールはこんな感じ。あらかじめわかってると少し安心!
- 解答は鉛筆もしくはシャープペンシルで行う。
- 実技はマークシート用紙に解答、学科は問題用紙と解答用紙が合体している。
- 問題用紙(解答欄以外)への記載は不可、問題用紙の持ち帰りは不可。
- 机の上は受験票、カッピングスプーン、筆記用具、時計(スマートウォッチ不可)以外置けない。
- 実技時のお湯は自分で注ぐ方式。(卓上にポットが置かれる)
- カッピング検体は粉のみ。豆を見ることはできない。
- 解答時間はスタート時に「今から何分間」と告げられるが「何時何分まで」とは告げられない。(各自時計を見ながら管理すること。随時「残り何分」とは言ってくれる)



試験問題は回収されるので手元には残らないです。試験内容をブログとかにまとめてくれてる人は思い起こして書いてくれてたんですよね。感謝!
設問(実技)
①格付け
同じ産地の豆2種類が粉の状態で渡され、産地とそれぞれのグレードを選択する問題です。
- 設問:1問
- 回答数:2
- 配点:10点(5点×2)
- 回答時間:15分(お湯を注ぐところから。その前の配布時に粉の見た目を確認、40秒でドライの香りを嗅ぐ)
②産地別
2検体が粉の状態で渡され、それぞれの産地と格付けを選択する問題です。
- 設問:1問
- 回答数:2
- 配点:10点(5点×2)
- 回答時間:15分(お湯を注ぐところから。その前の配布時に粉の見た目を確認、40秒でドライの香りを嗅ぐ)
③焙煎豆外観
8検体が豆の状態で渡され、それぞれの産地と格付けを選択する問題です。
- 設問:1問
- 回答数:8
- 配点:40点(5点×8)
- 回答時間:10分



このあと20分ほど休憩が入るよ!
④ダメージ品
2検体が渡され、一つは正常品、一つはダメージを含むもの。どちらが正常でどちらがどのダメージかを選択する問題です。2問続きます。
- 設問:2問
- 回答数:4
- 配点:20点(5点×4)
- 回答時間:30分(15分×2問)(お湯を注ぐところから。その前の配布時に粉の見た目を確認、40秒でドライの香りを嗅ぐ)
⑤配合分析
産地の異なる2種類の豆が混合された検体を渡され、それぞれの産地・グレードと混合比率を選択する問題です。2問を同時に進めます。
- 設問:2問
- 回答数:2
- 配点:20点(10点×2)
- 回答時間:40分



このあとお昼休憩~
設問(学科)
教本の各章、各部ごとにブロック分けされた問題が出題されます。最後にノンジャンルの○×問題が出題されます。
解答方法は以下のものがミックスされています。
- 選択
- 記述(単語)
- 記述(文章)
- ○×
解答時間は90分。60分経過後から退出OKです。



ページ数としてはA4用紙7枚程度でした。最後のページを見逃したりしないように!
出題個所
出題個所は各回で異なるようですが、出題範囲は教本の1級までのページすべて。
講習会でも言っていましたが2級で習ったことも出題範囲となります(事実、出ました)。まんべんなく勉強しておきましょう!
第21回(2期)の出題個所を参考までに掲載しておきますね。
- 産地と格付け
- 精選
- 品種改良
- 温度プロファイル
- 粉砕
- 包装
- 選別
- 栽培
- 生豆の主要成分と焙煎による変化
- その他(○×問題にて出題)



講習会で出題のヒントになるような言葉がちらほら飛び交いますがそれに惑わされて山をはったりするとショックを受けるかも…。
まとめ
コーヒーインストラクター1級試験を受けてきた経験を踏まえて、当試験の概要や出題傾向、合格するためのコツなどを私なりの視点からお伝えしてきました。
結論、
「ちゃんとがんばった人は合格できる試験です!」(←私のことではありません)
そして、
「合格だけが目標じゃない。勉強したことは必ず身になるよ!」(←私のために言ってます)
なのでこれから受ける方はがんばって、そして楽しんで勉強してくださいね。
そしてなんといっても体調第一!



わたしは真夏の直前やっつけカッピングでコーヒー嫌いになりそうになりました。。そして試験当日なぜか舌先がしびれていた…。やけど?
本末転倒!
また、当日はたくさんのスタッフの方が安全で確実な試験運営のためのサポートをしてくださっていました。
問題の作成はもちろん、問題用紙の準備や大量な検体の用意、ポット、お湯の準備や片付けなど、スタッフの方々の多大なるサポートあっての検定だなぁと感じました。(イベント運営ってほんと地味に大変なんですよね…)
スタッフの皆様ありがとうございました。
また、当日一緒に試験を受けた方、お疲れ様でした!



次に試験問題詳細の記事を書く時には合否が出ていると思います…。
自分の解答も晒しながら反省会として書いていく予定なのでまた読みに来てくださいね!