そろそろ家を買いたい。そうなったときにマンションにするか、一戸建てにするか、悩んでしまいますよね。大きな買い物なので決定するのがなかなか難しい。
我が家は最初新築マンションを購入し、7年ほど住んだ後で売却、土地を購入して注文住宅を建てました。
どちらも購入して住んだ経験から、それぞれの特徴や住みやすさ、住み替えた理由などをお話しますね。
資産価値や利便性ならマンション、広さや自由度なら一戸建て
マンション | 一戸建て | ||
資産価値 | ◎ | ○ | 売却を考えた資産価値ならマンション。戸建ては土地が残る |
購入費 | △ | ○ | 建築費用は戸建てのほうが選択の幅が広い |
ランニングコスト | × | ○ | 管理費、修繕積立金、駐車場代が別途毎月必要 |
利便性 | ○ | △ | オートロック、宅配ボックスなど便利なサービスあり |
住環境 | ◎ | ○ | マンションのほうが駅近、買い物などに便利な傾向 |
広さ | △ | ◎ | 戸建てのほうが広い面積を確保できる |
自由度 | △ | ◎ | すべて自分の裁量で決定できるのは一戸建て |
選定理由として決め手になりそうなのはここだと思います。
将来的に引っ越しや売却の可能性が高い、住居というより資産として考えている。そういった方はマンションを購入することをおすすめします。
実際に私たちもマンションを購入後7年程度で売却しましたが、賃貸で家賃を払っていたぐらいを差し引いたのとそう大差はない価格で買ってもらえましたよ。
一方、一定以上の広さが欲しい、すべて自由に使いたい、「自分の家を持った!」という感覚を持ちたいなら一戸建てですね。私はマンションの時はなんとなく賃貸の延長みたいな気分で暮らしていました(それが嫌だったというわけではないですが)。
マンションと戸建てはその他にもいろいろと違いがあるので、詳しく説明していきますね。
不動産価値と利便性が高いマンション
メリット
- 不動産価値の下落がゆるやか
- 交通、買い物など生活面の利便性が高い
- 建物のメンテナンスを自分で考えなくて良い、外部の掃除も不要
- セキュリティ面、共用サービスが充実している
- 気密性が高く、冷暖房費用が抑えやすい
建物の耐久性が高く、便利な立地にあることが多いマンションは資産評価が一軒家より目減りしづらく、ある程度の年数が経っていても高い価格で売ることができやすいのが最大のメリット。
また、オートロックや宅配ボックスなどの共用サービスが使えるのも便利。インターネット接続も自分で用意する必要がないところも多いですね。
デメリット
- 管理費・修繕積立金が高く、駐車場にも別途費用が発生
- 自分の裁量ですべてが決められない
- 左右・上下階の騒音トラブル等の懸念がある
- 間取り、デザイン的に選べる範囲が狭い
- エントランス、駐車場から家まで距離がある
一方、集合住宅の区分所有であることによって、建物や敷地に関することは住人全体の総意で決められ、それに従わなければならないことはデメリットとも言えるでしょう。
共用部も意外と多いです。自分のもののように感じられる玄関ポーチやベランダ、窓も共用部のため、リノベーションをしたいときにも触ることはできません。
便利な共用サービスがある分管理費は高く、修繕積立金も強制的に回収されます。費用的には2~3万円といったところでしょうか。駐車場代も別でかかり、都心などでは外部駐車場とさほど変わらない金額がかかります。購入費用と別に毎月固定費がかかってくるので、それなら賃貸でもいいのでは…?と思わなくもないポイントです。
また、上下左右と壁・床でつながっているので、騒音や振動のトラブルが一軒家に比べて発生しやすいです。
とにかく自由度が高い戸建て
メリット
- 家に関するすべてが自分の権限で決められる
- 敷地内に駐車場が作れる
- 庭や屋上が作れる
- 面積が広くできる
- 採光・通風がしやすい
所有する土地が明確でその中はすべて自分のもの(当たり前ですが)。高い建物を建てたり庭を作ったり、法規の範囲内で好きな家づくりができます。
家が独立しているので四方の壁が使えるのもいいですね。
デメリット
- 建物の不動産価値の目減りが早い
- 建物のメンテナンスを自分で手配しなければならない
- 階段などがあり室内の移動が大変
- ご近所づきあいが発生する
自由度が高い反面、住み始めた後のメンテナンスなどもすべてを自分で決めて手配しなければならないので手間がかかります。
また、とにかく上物の価格が落ちやすい一戸建て。10年で価値が半減、20年後には数千万かけて建てた家も資産価値はほぼゼロになります。売却する場合を考えるとコストパフォーマンスが良いとは言いづらいです。
一戸建てvsマンション、住みやすかったのはどっち?
両方経験した私の率直な感想は、どっちもいいところがあって好き好きだなということ(すみません…)。
- あまり手間を掛けずに快適を手に入れられる⇒マンション
- 手間はかかるがバリエーション豊富な選択ができる⇒一戸建て
という感じでしょうか。
室温
圧倒的にマンションのほうが快適でした。気密性が高いためもともと外気温の影響を受けづらいですし、暑さ寒さがあっても一度適温にしてしまえばその状態が長く続きます。
ただしマンションは開口が2方向のみなので、日照は方角によって大きく変わります。価格と比例してくるのでとても悩ましいですが選択を間違えると大きな後悔ポイントになると思います。
階段
階段は私はそれほど苦になっていないですが、移動の負担がなくフラットスペースを広く取りたい方はマンションがおすすめ。老後の生活も安心そうです。
安心感
マンションはなんとなく守られているし淋しくない感じがありましたね。オートロックで外部の人が中に入ることがほぼないので鍵を閉め忘れてもそれほど心配になりませんし、飛込みで誰かがインターホンを押してくることもあまりありません。あと宅配ボックスはとっても便利です!
便利さ
生活の便利度で言えば、我が家の場合駅近マンションなどではなかったので、都心部の狭小住宅のほうが圧倒的に便利でした。これは土地の選び方次第でしょう。利便性かつ価格を重視するなら郊外かつ駅から少し離れた安めのマンションよりは、都心の駅から近い狭小地を検討するのもありです。
マンションもちょこちょこストレスがあります。駐車場と家が遠い、家と郵便受けが遠いのも地味にストレスでした。車を持っているころは色々大物の買い出しもしましたので、その荷物を家に入れるのが面倒。また費用を抑えるため立体駐車場の下段を借りていたので、車の出し入れ自体も面倒。自分の家なのに不便です。
ペットを飼っている方はペット可物件であってもペットを飼っている入居者自体が少ないので、肩身はやや狭いです。エレベーターなどでは他の方に迷惑が掛からないようにしなければなりません。頭数制限があるところも多いですね。
建物外部の補修や外構もですが内部のメンテナンスも楽なのはマンション。高圧洗浄や消防点検などが自動的に入るので個人で手配する必要がありません。
手続きやらやりとり、交渉事も圧倒的に増えるのが戸建て。町内会に入ったり、新築時だけではなく永続的に業者とのやり取りをすることも多くなると思います。そういった交渉事にストレスを感じるようであればマンションのほうがいいでしょう。
メリットとデメリットがある中でどちらを選ぶか
我が家がマンションを売って一戸建てを選んだ理由
- 自分の裁量ですべてを決められないことが不満
- 家づくりというものを経験してみたい、その過程を楽しみたい
- マンションの間取り・デザインに面白みが感じられない
我が家の場合は生活に大きな不便があったわけではありませんが、購入物件としてのマンションにデメリットを感じた、家を建てるという体験への興味が湧いてきた、という感じでした。
一戸建てのデメリット解消法
- 交通、生活の便が良くニーズがある土地を選ぶ
- 狭小地で土地の価格を抑える
- 高性能住宅を購入し快適性を確保、資産価値を高める
一戸建てだとこんなところが良くなさそう…という部分も、土地選びや物件選び・設計によってカバーできる部分があります。例えば上記のような視点を取り入れてみるのもいいかもしれません。
自分たちの譲れない条件を確認し、後悔のない家選びを
一概にマンションがいいとか一戸建てがいいとか言うのはなかなか難しいですね。
家族のライフスタイルや希望、将来の生活設計などをしっかりと考えて、何を優先し何を妥協するかを吟味すれば答えは出てくると思います。
皆さんの暮らしに合った住居の選択ができることを応援しています!